¥1,650
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「衣食住、暮らしに寄り添うもの選び」
内田 彩仍 著
集英社クリエイティブ 10月25日発売
A5判 192ページ オールカラー
価格 ¥1,650
Photo kyoko omori
10月25日に新刊が発売になります。
タイトルは「衣食住、暮らしに寄り添うもの選び」です。
本書では、歳を重ねていくなかで、
少しずつものを選ぶ基準が変わってきた私の
長年大切に使い続けているものや、
心豊かに暮らしを彩ってくれる季節ごとの愛用品
日々の暮らしを助けてもらう日用品など。
今の暮らしを支えてくれているものとの関わりや
「もの」にまつわる日常を綴りました。
どうぞよろしければご覧ください。
装うこと、食べること、住まいのこと。
衣食住すべてに興味があるから
私は暮らすことが本当に好きなのだと思います。
自分らしくいられる服を着て、なるべくなら食べるものをいい加減にせず
安心してくつろげるよう家を整える。
それだけで心から満たされた気持ちになります。
だから、暮らしのもの選びはいつも真剣です。
四十代まではちょっと背伸びしてもの選びをしていました。
管理が大変でも「ちゃんと手入れして使うから大丈夫」
と覚悟を決めて購入したり
ときには機能性より見た目重視で選んだり。
体力も気力もあるから、生活のちょっとした不便が
気にならなかったのだと思います。
「手をかけて暮らす」ことへの満足感や憧れもありました。
でも、五十代半ばを過ぎると
同じようにはいかなくなります。
自分の体調に波があるなかで
親や家族の用事で忙しくなったり
面倒に感じることが増えたりして
気持ちに余裕がなくなってくるのです。
流行を追うとか「旬のものを知っていないと」
という気持ちもだんだん縮小。
六十歳を迎える今、ものを選ぶ基準が
随分変わってきたことを自覚しています。
自分自身の変化、環境の変化を恐れずに
大らかに受け入れて。
今の自分をやさしくいたわり
寄り添ってくれるものと暮らしたい。
今は、そんな気分です。
スタイリストという
ものを選んだり集めたりする仕事を長くしていたので
基本的に新しいものを探すのは好きな時間です。
好きなものを見つけたときのわくわく感は以前のまま。
人生後半なのはちがいないけれど
終活を意識して何もかもを小さく
最低限に絞っていくにはまだ早そう
というのが最近の実感です。
まだまだ新しいものにときめきたいし
毎日の暮らしにも飽きたくない。
いつも新鮮な気持ちでいるためにも、ものの力を借りて
自分も暮らしも更新していけたらと思っています。
内田彩仍